◆タマムシ研究結果

●ヤマトタマムシの研究結果報告です

検証期間 2000年5月~2006年8月(予期は除く)
◆基本データ。
 和名  ヤマトタマムシ 
 学名  Chrysochroa fulgidissima fulgidissima 
 英名  Japanease jewel beetle 
 綱    昆虫綱 
 目    甲虫目 
 科    タマムシ科 
 体長  30~40ミリ 
◆成虫

食樹 エノキ、ケヤキ、の葉
寿命 80日~100日(当方飼育最長記録106日)
出現時期 5月下旬~8月上旬 年1回出現
天敵 鳥類、蜘蛛類、カマキリ
♂♀同定

生息範囲

本国:本州(南東北以南)、四国、九州、伊豆諸島、対馬、屋久島、種子島、
外国:台湾、韓国、中国、ラオス、ヴェトナム、

全ての地においてエノキの木に温存し、エノキのない北海道などの寒冷地では成育しない。
飛行 上翅をV字に広げる独特のスタイル。
◆卵、幼虫、サナギ

産卵

・エノキ、ケヤキ、カシ、ナラ、クヌギ、ハリエンジュ、サクラ、オニグルミ、カキ、など各種広葉樹の枯死木。
・枯れてから年月の経過した物、朽木には産卵しない。
・半枯れの部分、伐採木、伐採直後の切り株、等を好む。

・産卵直後は白くゼリー状の幕に覆われているが時間と共に硬くなる。
・一つの塊に3~8個産み付けられている
・産後10~20日前後で孵化(気温と湿度に左右される)

幼虫・蛹

おおよそ3年、食樹の状態により5年もあり。
・自然界では、ほぼ2年で成虫になることが解りました。(2012.8訂正)
・温度管理をした飼育下では1年で成虫になることが解りました。(2012.8訂正)
・幼虫は適応温度に幅がある。生息地により冬眠するものとしないものがある。
・立ち枯れなど冬の寒風や乾燥にさらされる場合、幼虫は冬眠しおおよそ4年~5年で成虫に成る。固体は小さめ。
・幼虫は生育環境に関わらず冬眠しないことが解りました。(2012.8訂正)
・切り株に産し地中の根部内で育った場合、冬でも暖かく温度湿度共に保たれる為か冬眠しない。3年~4年で成虫 2年で成虫となり大型の固体が多い。
・飼育下の常温では3年~4年で羽化するが、餌の質で成長は左右される。材飼育は早め、マット飼育は遅めで5年掛かる物もある。
・上記理由により飼育下にてサーモスタットを用いて通年加温すれば成長は著しく短縮される。ただし、餌の質と量により例外もあり。
クワガタ用の菌糸ビンではおがくずが菌糸に感染しているためたべません。菌糸から幼虫が嫌う物質が分泌されておりタマムシやカミキリはこれらを嫌う挙動が見られることが解りました。(2012.8追記)

孵化後6ヵ月 さなぎ・脱皮後17日・体全体がパールカラーの様に艶が出て輝いてくる。
孵化後3年 さなぎ・脱皮後20日・ここまで来るとタマムシであることが判る。
蛹化・あれだけ長かった体は縮み透明に透き通ってくる。 羽化・脱皮後22日目で羽化した。トカゲのように皮があちらこちらから縮んで剥けて行く感じ。セミのようにズルリとは剥けない。
さなぎ・脱皮後1日目・乳白色でとても綺麗。 真っ白な翅・その後2日ぐらい掛かってようやく見慣れたあの色になる。
さなぎ・脱皮後10日・まず頭と手足が色付いてくる。 成虫・綺麗ですね~
天敵 キツツキ、アリ、寄生蜂、各種菌糸
◆噂検証

検証結果

サクラの葉を食べる 食べませんでした。
サクラの木に集まる サクラに付くタマムシは確認できませんでした。サクラの葉を食べない事からデマであると断定しました。
サクラの伐採木には産卵にやって来る固体を確認しました。
死骸をタンスに入れると洋服が増える 迷信の様です。
昔は沢山居た。 今も昔も変わりません。居る所には居るという感じです。
(この研究を始めるまでタマムシなど見た事ありませんでした。)
光る体色の理由は鳥をおびえさせる。

嘘、まったくの誤報です。
タマムシの天敵は鳥類ですが、この目立つ風貌から鳥に食われた死骸を見た事のある方は多いと思います。

鳥をおびえさせるのではなく、エノキの葉に擬態し鳥の目から逃れているのです。エノキの葉は太陽に当たると表面のツヤツヤの部分が反射して光ります。角度によっては黄色く見えたり赤っぽく見えたり、まさにタマムシはこの葉の色を真似ているのです。
幼虫は多孔菌などの菌糸を食べる 食べません。

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